kyu-rokuの備忘録

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管理人の使用しているPC-9801DSの紹介

現在、管理人が使用しているPC-9801DSの紹介

 

PC-9801DS/U2

PC-9801DSは、Dxシリーズの386SXを搭載したミドルクラス機種として、91年に発売されました。

管理人が使用しているこの機体は末尾に/U2が付き、3.5インチFDDを2機搭載したモデルです。

CPUにはi386SX(16MHz)を搭載、26音源相当のFM音源を内蔵しており、Cバスは4本とゲーム用途にはまぁまぁ使いやすい機体と言えるのではないでしょうか。

ヤフオクに86音源とGA-1280A、LHA-20Bが刺さった状態で非常に汚れた当機が出品されており、本体というよりは拡張ボード狙いで落札しました。

 

主な用途

  1. パソコン通信の端末
  2. ミュージ郎の実行マシン
  3. DOSゲームのプレイ
  4. FMPなどの音源ドライバ向けに製作された楽曲の再生

今時、実機でやらずともエミュレータを使えば楽に実現できてしまうのですが、折角追体験するのであれば、当時と同じ環境で行いたいと思い構築しました。

Windowsに関しては9821Xa12/C8の方があるので、あくまでもDOS環境として構築しています。

 

現在のスペック

CPU IBM486SLC2 (Viper-jet 32MHz)
メモリ 640KB+6MB (MELCO EDS-4000)
Cバス① ICM IF-2768
Cバス② Roland MPU-PC98
Cバス③ MELCO LGY-98
Cバス④ NEC PC-9801-86
CRT PC-KD854

 

CPUアクセラレータ

DSはQFPパッケージで拡張性に乏しいi386SXな上、

入手当時既に2台の98を持っていたので本体にはあまり期待していなかったのですが、開けてびっくり、非常に希少な386SX向けCPUアクセラレータのViper-jet Type2(IBM486SLC2 倍速32MHz)が装着されていました。

M/Bにはんだ付けされたCPUの上から被せるように装着することで、CPUを停止させて乗っ取るような構造になっています。他の9801のCPUの例に漏れず、ヒートシンクなどは付いていないのですが、プログラムなどを実行しているとそこそこ熱を持つので、なにかしら載せても良いかもしれません。

本体のみで入手したため、キャッシュコントロールユーティリティーなどは無い状態でしたが、VEM486を組み込むことで有効化しています。

 

ちなみにキャッシュを有効化した状態でのCPUBENCHのスコアは34.02、80486DXの25MHzを越すぐらいの性能は出ているようです。

 

メモリ

DSではM/B上のソケットにサブボードを挿す形で拡張メモリを追加することができます。専用サブボードのMELCOのEDS-4000に、61SIMMを1枚追加し、計6MBの構成で使用しています。

尚、EDS-4000に61SIMMを2枚以上追加し計8MB以上とする場合、専用のパリティメモリボード(XPM-8)が必要になるようです。

 

Cバス拡張ボード

ICM IF-2768

ICMの92互換SCSIボードで、バスマスタ転送に対応しています。

起動ドライブとしている富士通のMOドライブに接続して使用しています。

起動時Ctrl+Sで出るメニューで、転送方式や割り込みを変更できます。

ロットによってはWindows95でも使用できるようですが、管理人の所持しているものは未対応のようです。

 

Roland MPU-PC98

RolandMIDIインターフェースボードで、有名なMPU-PC98Ⅱの前モデルのようです。割り込みやIOアドレスは固定で、変更はできませんが、大半のソフトは決め打ちなので基本的に困ることはありません。

同じくRolandのCM-64や、SC-55Mk2と接続し、ミュージ郎で使用しています。

 

MELCO LGY-98

MELCOのLANボードです。

ネットワークへ接続することで、FTPWindowsマシンとのファイルのやり取りや、TELNETを用いての草の根ネットへの接続など、できることが広がります。

割り込みやIOアドレスはBuffaloのページからDLできるユーティリティーの中に含まれるLGYSETUPを介してDOS上から変更します。

 

NEC PC-9801-86

NECFM音源ボードで、98では実質的な標準音源として非常にメジャーなものです。

弊環境では内蔵26音源を無効化した上で装着しています。

ちびおとRを実装し、DOSのゲームからFMP等での楽曲鑑賞など、大活躍してくれています。

実装されているコンデンサが液漏れを起こして腐食することが知られており、コンデンサ交換等を検討しています。

 

表示装置

NECのCRT、PC-KD854を使用しています。

86年発売の14インチCRTで、どちらかというと8801後期~9801初期ぐらいの製品だと思われます。

98環境を揃え始めた最初の頃に、全て当時物で揃えたいという無駄なこだわりの元、ヤフオクで落札しました。

40年弱経過している経年品ですが、奇跡的に正常動作しています。最近垂直の偏波が時折乱れるので、その内死にそうな予感はしています。

 

その他

OS

起動ドライブにはMOを使用しており、MS-DOS6.22を230MBのMOにインストールして使用しています。以前PC-9801UXを使用していた際は80286マシンでどうにかWindowsを動かそうとしたこともありましたが、DSについてはDOS専用マシンとして運用しています。

 

入力機器

キーボードはRDFキーボードとも呼ばれる中期の純正品を、マウスも純正のD-Sub9pinのものを使用しています。

管理人は一時期RDFキーボードに変換器を介してWindowsマシンで使用していたほど、このキーボードのキータッチが気に入っていますが、経年品故接触不良気味なキーがいくつか出現してきてしまいました。

 

フロッピーディスクドライブ

DS/U2FDDは、FD1137Dが採用されており、ヘッドのアンロード機構が発する音が特徴的です。

FDDはディスクの挿入検知と書込禁止の検知をマイクロスイッチで行っているのですが、接触不良となって動作不良を起こしやすいことで知られているため、整備済みで入手したものをベゼル交換の上で装着してあります。

 

電源ユニット

DSに積まれている電源はPU463Aというものです。正常に動作していましたが既に30年経過しているもので、火を噴かれるのも嫌なのでコンデンサ交換済みのPU463に交換しています。

PU463AにはSANKENやトーキンなど、いくつかメーカーがあるようなのですが、トーキンが比較的コンデンサの液漏れを起こしにくいとかなんとか...。しかし数十年使われている電源なので交換して置くのが吉だとは思います。

 

あとがき

以上9801DSの紹介でした。

なんとなく今時点での環境をまとめておくのも面白いかなと思い書きました。

最後に9801DSでミュージ郎を実行している様子を撮影した動画を貼り付けて終わりとします。

 

<PC98>ダイヤルアップでパソコン通信をする

インターネットの普及以前、パソコン通信というものがありました。

その中でも、小規模なものを草の根ネットと呼びます。

 

今回は草の根ネットに当時のハードと接続方法で、簡易的にではありますが接続し、当時を追体験してみようと思います。

 

目次

 

接続するホスト

西和ネット

jp3tlc.com

JP3TLC様が運営されている草の根ネットです。

ネットを通じたTELNETの他に、22:00から翌朝05:00まではモデムを通じた電話回線で接続できます。

 

今回使用したもの

1.PC-9801-120(モデムボード)

28.8kbpsのモデムボードです。今時わざわざ98でダイヤルアップ接続する人間は存在しないので数百円で投げ売りされています。

9821系に付属したボードのようですが、9801でも問題なく仕様できます。

モデムボードですが、内部的にはRS-232Cボードとモデムが一体になったような構成です。

 

2.適当な長さのモジュラーケーブル

電話線コンセントとモデムボードを繋ぐ為に使用します。

NTT配列と書かれているものなら大丈夫だと思います。

 

3.MCD(シリアルドライバ)

120ボードを制御する為のドライバです。

今回はVectorで入手できるMCDを使用します。

事前にダウンロード・展開し、適当なディレクトリにコピーしておいてください。

今回は、A:\MCDにコピーしたものとして説明します。

www.vector.co.jp

 

120ボードを使用する上で注意したいこと

1.PnP機能をオフにする

上でも書きましたが、120ボードは9821系に付属したボードです。

その為、デフォルトではPnP機能がONになっており、9801系に挿したままでは動作しません。

ボード上のDIPスイッチ 1番をONにしてPnP機能をOFFにします。

 

2.IOアドレスと割り込みの重複を避ける

その他、IOアドレスと割り込み(INT)を他の拡張ボード等と競合しないように設定します。120ボードはデフォルトでは8B0h/IRQ3(INT0)となっています。

今回は、デフォルトに設定したものとして説明します。

 

セットアップ

まず最初に、接続の流れを説明します。

120ボード内部のRS-232Cポートのドライバをセットし、ターミナルソフトを用いて120ボード上のモデムにATコマンドを送出しダイヤル、ホストに接続する、という流れになります。

 

1.120ボードをCバスに取り付ける

パソコン裏側の拡張Cバススロットに取り付けます。

特にスロット番号の指定はありません。

 

2.モジュラーケーブルを接続する

120ボードのLINEと書かれたソケットにモジュラーケーブルの片方を接続し、もう片方は一般回線の場合は壁のモジュラーコンセント、光回線の場合は光終端装置の電話機接続端子に接続します。

 

3.MCDを組み込む

MS-DOSを起動し、適当なテキストエディタでCONFIG.SYSを下の通りに編集し、リセットしてください。

DEVICE=A:\MCD\MCD98HU.EXE /A008B0 /I00 /D0 /B14400

 

IOアドレスや割り込みを変更している場合は下記を適宜変更してください。

/A0XXXX←IOアドレス

/I0X←割り込みレベル

 

4.ターミナルソフトを開く

今回はとりあえずダイヤルアップでホストに接続することを目的にしているので、MCDに同梱されたユーティリティに入っているMCD.EXEの簡易ターミナルモードを使用します。

DOSの入力画面で下の通りに打ち込み、ターミナルモードを起動します。

CD MCD\UTY

MCD AUX1 t ←小文字

 

5.接続する

ターミナルが立ちあがり23時になったら、下の通りに打ち込み、ホストの番号をダイヤルします。

ATDT 0745458527

ダイヤル音が鳴ったあと、ピーヒョロヒョロガーーーーーと鳴って接続されます。

GUESTで閲覧したり、気に入ったらサインアップしてみてください。

あまり長く接続していると来月の請求が恐ろしいことになるのでほどほどに。

 

終わりに

今回は完全に忘れられつつあるダイヤルアップでのパソコン通信を行いました。

思い出話で聞くだけだったパソコン通信は2022年の今でも行う事ができます。

インターネット世代の私は初めて接続できた時は感動さえ覚えました(笑)

気に入ったら他の草の根ネットも閲覧してみてください。