
先日、以前より気になっていた98NOTEがヤフオクで安く出品されていたので、入手してみました。案の定というか、入手したままの状態では電源も入らなかったので、正常動作するまでを書き残しておきます。
(2025/3 とりあえず壊れていたFDDの代替品到着待ち)
※この記事を参考にして壊れても管理人はなんら責任は負いません。
PC-9801NS/E
PC-9801NS/Eは、NSの新型として16MHz動作の386SXを搭載し、91年に発売されました。
入手したのは素のNS/E、他にHDDが搭載されたモデルもあったようですが、各型番もHDDの有無以外に差はないようです。
3.5インチFDDを1基搭載し、他の98NOTEの例に漏れず、1.25MBのRAMドライブやレジューム機能が搭載されています。
液晶は8.9インチ 8階調のモノクロ冷陰極管サイドライト付き液晶です。
拡張性ですが、HDD籠スロットと専用メモリカードスロット、拡張110Pin拡張バスはありますが、あまり良いとはいえないのが事実です。
特に、後継機種のようなコプロセッサや拡張メモリのスロットが存在せず、特にメモリは低速な専用メモリカードのみとなるため、現在わざわざ入手するような人はあまりいないようです。
今回、修理するにあたってネット上で情報収集しましたが、後継のNS/T等に比べあまり人気がないのか、情報も少なかったので参考程度になればと思います。
入手時の状態
今回入手したのはHDDが搭載されていないベースグレードのPC-9801NS/Eです。
電源が入らないジャンク品という形でしたが、液晶のビネガーシンドロームも見られず、二次電池の液漏れがなく外装も綺麗だったので、これぐらいであればなんとか修理できるだろうという見込みで購入しました。
入手後、ACアダプタであるPC-9801N-12の劣化を疑いとりあえず電圧を見てみましたが、まだなんとか正常な電圧(DC15V)が出ているようでしたので、繋いでみました。
電源ボタンを押すとACアダプタに負荷が掛かっているような音はするのですが、本体は前評判の通りウンともスンとも言わないということで、しっかりと故障しているようです。
恐らくこの頃の98NOTEの持病である、電源系コンデンサ不良だろうと踏んで、中を見てみることにします。
外装・パーツの分解

1.バッテリを外す
まず、1stバッテリと2ndバッテリを取り外します。
1stバッテリについては取外しボタンを押し、上から押せば外れます。
2ndバッテリは背面左側の蓋を開けた中のバックパネル上部にネジが2本あるので、緩めれば外せます。
1stバッテリを取り外した後、バッテリが入っていたところにネジがあるので、緩めるのを忘れずに。
2.ネジを緩める
本体底面にある7つのネジを全て緩めて外します。
3.筐体の上下を分離する
ネジを全て外したら、筐体後部から持ち上げていき、筐体の上下を分離させます。
筐体前面のキーボード側は3つの爪で嵌め合いとなっているので、マイナスドライバを駆使してどうにか外してください。
なお、内部で液晶、インジケータランプ等のコネクタがM/Bと接続されているので、あまり無理やり持ち上げ過ぎないよう注意してください。
4.コネクタを取り外す
筐体の上部と下部は、3本のコネクタで接続されています。
キーボード上部、STOPキーとF5-F6キーの上あたりにそれぞれコネクタが接続されているので、引っぱり過ぎないように気を付けながら取り外してください。
これで筐体の上下が完全に分離できるはずです。
5.付属機器の取外し
次に、キーボードとHDDスロット、FDDを取り外します。
キーボードは右側裏面、FDDは中央上部でフレキシブルケーブルを用いてM/Bと接続されているので、先にストッパーを上げ、折り曲げたりしないように気を付けながら取り外してください。
HDDスロットは、内蔵スピーカーのコネクタ(F1キー上部)と映像出力用のコネクタが載った小基板がありますので、スピーカーのコネクタを取外し、小基板についてはスロット筐体から持ち上げて外してください。
あとはそれぞれを固定しているネジを緩めれば、M/Bとそれらが分離できます。
6.レジューム用バッテリーの取外し
今回入手した個体では前項の通りキーボードを取り外したところ、右下のレジューム用バッテリーが液漏れを起こしているのが確認できました。
レジューム用バッテリーにはSANYOのNi-Cd二次電池が使われており、両面テープで固定されています。
同等品の入手も難しそうですし、レジューム機能を使うこともそうそうないと思われるため、コネクタを取り外し、取り除きました。
※バッテリー未接続でも、レジューム機能が使用不可なだけで起動します
レジューム用バッテリーまで取り外すと、筐体後部からM/B単体に分離させられるようになります。
コンデンサの交換

前項でマザーボード単体まで分解できたので、状態を確認します。
表面裏面共に電解コンデンサが見られますが、思ったよりは少ないように思います。
電解コンデンサの一覧です。小基板②には2つのタイプがあるようですのでご注意ください。
小基板①
| C2 |
不明 16V 10μF
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| C18 |
不明 25V 4.7μF |
小基板②(PUD-15)
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C16
C17
C18
C21
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日本ケミコンSXG 105℃ 10V 82μF
|
M/B表面
| 2L2 |
日本ケミコンSXE 105℃ 25V 39μF |
| 5L1 |
日本ケミコンSXE 105℃ 10V 180μF |
M/B裏面
| 5F3 |
不明 10V 22μF |
|
12A1
5D4
3E2
4E2
|
不明 6.3V 22μF |
| 5F4 |
不明 35V 6.8μF |

この個体では、小基板2つのそれぞれの電解コンデンサに電解液漏れが見られました。
M/B上のコンデンサについては液漏れは見られませんでしたが、悪名高き4級塩コンデンサですし、30年以上が経過したコンデンサは容量も抜けていると思われるので交換しました。
これらの基板上のコンデンサが液漏れしている場合、裏面にも電解液が回っている可能性が高いので、小基板や絶縁フィルムを外して見ることをお勧めします。
スルーホールを介して広がった電解液でM/B裏面のパターンが切れていました。
※同じNS/Eでも小基板(PUD-15)には2つのタイプがあるようで、それぞれで載っているコンデンサの容量が異なるのでご注意ください。
代替品の選定ですが、M/B上であっても低ESR品が使用されている箇所には低ESR品を使用するのが吉だと思われます。ネットで見かけた他機種の修理記では標準品に代替したところ、動作が不安定となったとの記載を見かけました。
小基板(PUD-15)上のコンデンサについては、上にHDDスロット筐体が被さるため、寸法に注意した方がよいでしょう。C16-18+21は全て並列に接続されているため、1つに置き換えても問題ないと思われます。
今回はこれらコンデンサの交換+切れたパターンのジャンパをし、組み直したところ正常に起動することを確認できました。
番外編 FDD(FD1138C)について

9801NS/EにはFD1138CというFDDが搭載されています。
例に漏れずNS/Eもヒンジ取り付け部が非常に弱く、FDDが上部のヒンジから肘鉄を食らって昇天するようです。
この個体もFDDの筐体が凹んでおり、ヘッド部が壊れているようで、ディスクを挿入すると一本の傷を刻むフロッピー破壊機と化していました。
なお、FD1138系も電解コンデンサの液漏れで破損している個体が多いようです。
基板のリビジョンによって容量は異なるようですが、このFD1138C (1991.4 PN:134-505194-007-0)に載っていたコンデンサは
6.3V 47μF×2
6.3V 10μF×1の計3個でした。